2016全進研 春のセミナー        成功裏に終了しました

 

                     まとめ・文責:遠藤(共同代表)

 

とても大事な講演でした。参加者の方からもたくさんのご意見が出され、内容の濃いセミナーとなりました。なお、講演の性質上、講演の概要・資料、講演者の発言などは掲載しないかたちで、記録をまとめてあります。

 

日時:2016年5月14日(土)

場所:武蔵野市民会館

テーマ:「LGBT」ってなんだろう?

講演:薬師実芳さん

NPO法人ReBit代表理事,前山形大学非常勤講師)

 

開会の挨拶(荻野):

 本日はお集まりくださいまして、ありがとうございます。学校関係は様々な業務があり、参加が難しい中、お越し下さったことに感謝します。

以下、共同代表(綿貫)の案内文を紹介する。

ゴールデンウィークはレインボーウィーク。晴天の下、代々木公園で「レインボーフェスタ」が開かれ、8日はレインボープライド、5000人のパレードが行われた。先日、国際人権団体ヒューマン・ウォッチの調査報告も出された。LGBTの子どもたちが、心ない大人・教師の言葉から、いじめの渦中にあったり、思春期に至り「自死念慮」の気持ちが強まったりすること、また就職の壁も指摘されている。様々な運動の根っこは同じ。

 13人にひとりが「LGBT」という報告があり、現場の教員も認識を新たにしているのではないか。今日は、学校関係の参加が多い。特に「学校現場での対応」を中心に学んでいけたらと思う。

 

司会(綿貫):

全進研も中・高校生が学ぶテーマのひとつとして「性」をあげている。自分自身は教員を退職して5年になる。教員時代はカミングアウトされたことはなかったが、退職後、カミングアウトされたことがあり、その時戸惑いを感じたことを申し訳なく思っている。昨年4月くらいから「性同一性障害」をめぐる様々な動きがあり、今、改めて、この問題を取り上げて、学びたいと考えた。

 

薬師さんの講演:

概要は省略します。

 

質疑  ※参加者からは次のような質問がありました。

ALGBTの自覚はどのタイミングか

B:カミングアウトは海外の方がしやすいのか?

C:(小学校の教員)小4で性の課題を取り扱う。テキストに「思春期になると 異性を好きになる」という一文があり違和感を覚える。学年の教師団で話し合った。「さん、くん」の呼び方はどうなのか。学校で講演をしてもらえるのか。

DLGBTの人の困っていることは何か? お風呂とかトイレとか 行政にも窓口がないのでは?

E:高校教員。1回だけ、お風呂の相談があった。その時は教員のお風呂を使わせたことがある。言ってこないことが多いと思う。

F:中学の特別支援学級の教員。昨日の新聞にも「学校が辛い」という記事があった。まだまだの状況。「学校の先生の意識」で考えることがあったら教えて欲しい。

 

交流  ※参加者から職場の現状などがだされました。

G:(世話人)高校の実践を紹介 1.相談室から  2.「性と生」の授業

H:(フリーライター)保健室の取材をしている。保健室に支えられたLGBTの方への取材。Xジェンダーの方の呼び方はどうすれば良いか?

H:「取材対象の方」が小・中学生の時、担任に発信したが、取り合ってもらえなかったと言う。2010年代に入って状況は変わっているのか?

司会:90年代前半までは精神疾患とみられていたが、2014年以降の変化を感じているか?

(小学校現場)現場の今の関心は道徳。具体的にはなっていない。

(小学校養護教諭)管理職は文科省の通達を伝えた。講演を聞いて、職場で伝えたら、「あの子、そうなんじゃない?」という感じの「期待と違う反応」が生まれて困った。

I:(司会)教員にもいるはずだが、カミングアウトは難しいだろう。

J:(世話人)息子が中学の時に、友人がクラスでカミングアウトしたということがあり、周囲は自然に受け入れたという経験をした。そういうクラス運営ができているということが素敵なことだと思う。

K:教え子(卒業生)が自死した。在学中は、周囲にカミングアウトしていたようだ。卒業後、自分にも話してくれた。(出会いを求めていたのだと思うが)「会費制のお店」に行っていたようだ。先行きを心配していたのだが・・・

L:(司会)教員は「つなげられる力」をつけることが必要なのではないかと思う。

L:(小学校養護教諭)かつての教え子(小学生)から「わたしのお母さんはお父さんなの?」と聞かれた。その子は嫌悪感をもっていた。

M:(養護施設の職員)LGBTの人が職員に応募してきたことがあった。知っているということと直面した時は違う。生活は多数に合わせて作っていくが、少数をバサッと切れない。どうするか対応を考えている。

常にLGBTの子はいる。面喰らうこともある。我々もモデルがない。今日は話が聞けてよかった。

N:(司会)当事者から学べることはたくさんある。

 

(遠藤雑感)

現場の状況はそれぞれであるが、お話を聴かせていただいて、自分ひとりでも、今日からすぐにできることもあると思った。「自分ができること」をする、そして少し広げてみることではないかと。

 

キーワードは「LGBTの子ども・人を含め、すべての人が幸せに暮らせる社会」