全進研 夏のセミナー 2015 無事に終了しました!
まとめ・文責:遠藤(共同代表)
日時:2015年8月2日 10:00〜16:30
場所:東洋大学白山キャンパス スカイホール
【開会】
○世話人会挨拶 中村(共同代表)
今日は、暑い中、参加して下さってありがとうございます。わたし自身は、東京の 中学校の教員です。全進研は、50年以上も前に、現場の教員が、それまでの「世の中の情勢・状況に即した進路教育・職業教育」に「これでいいのか?」と疑問をもち、立ち上げた民間教育研究団体です。現在は「キャリア教育」という名の下、その頃と変わらない状況があるように思います。わたしたちは「子ども・青年にどんな力をつけるのかということを考えていかなくてはいけない」という思いで活動をつづけています。1日、よろしくお願いします。
○課題整理 佐藤(世話人)
会場の東洋大学の小澤先生に感謝します。昨年度(2014)は「18歳は大人だ」というテーマ。大変タイムリーだったと思います。今年は、憲法に反する政治の状況を背景に、教育の問題がますます深刻になっているという状況を受け、学生の生活を圧迫している奨学金問題やブラックバイトを切り口に考えていきたい。
○大内先生紹介 綿貫(共同代表)
大内先生との出会いは教育基本法改正のとき。「教育基本法改悪反対」の立場で、活躍されていた。当時も大内先生からたくさん学ばせていただいた。
自分自身が大学生の時は、学費が安く、地方出身のわたしでも、東京でそんなに苦労しないで学ぶことができた。今は状況が全く違う。大学で講義をしているが、バイトが学生生活に大きく影響していることを実感する。「学生の本分が守られない」状況がある。就活動、婚活、保活・・・と「活動」を煽られる中で、若者を生きづらくなっている現状をなんとかしなくてはという思いでいる。
大内先生のお話から、大いに学びたい。
【講演】
「奨学金」“ブラックバイト”に見える進路教育の課題
講師:大内 裕和さん(中京大学)
わたしは、美濃部都政の頃に生まれた。低所得でも、都営の団地があり、都立高校も授業料が安く、そんなにお金がかからずに生きていけた。大学に行くときも、奨学金を借りた。その後、保守に変わり、社会状況を考える状況にあったが、まさか奨学金のことで講演をすることになるとは思わなかった。80年代後半、授業料で困っている人は少なかった。
1.奨学金問題への関心
奨学金の問題に気がついたのは5年前。2010年7月、札幌での講演の後の参加者の先生との交流で、「若い先生が貧しい」との話。正規雇用の先生の話で、1998年に、教職は奨学金の免除職ではなくなったから、返済が生活を圧迫している。
2010年、愛媛大学での奨学金の講義に大きな反応。100名中70名が奨学金を利用しているという実態があった。2011年中京大学で奨学金の説明会に行列。
若い人の問題は、社会全体の問題。日本社会から「中間層」がいなくなると考えた。
2.奨学金制度と歴史
学費と奨学金について、世代間で感覚の差が大きい。わたしは「世代間断層」とよんでいる。今では、大学卒業段階で1000万円を超える借金を負う学生もいる。
1984年に有利子の奨学金ができ、次第に有利子の奨学金枠が増え、無利子の奨学金は取りにくい。2014年、大学の専任教員になっても、生活できないという状況がある。日本では「貸与型奨学金」と言っているが、海外の感覚ではローン。
大学の授業で、卒業後家計簿シミュレーションというのをやる。そうすると、奨学金を返却できないことがわかる。今や、奨学金を52.5%が利用している。半数は借りてない学生で、その時点では他人事であるが、「将来結婚する相手が借りているかも」と言うと当事者になる。朱学金返済の問題は、将来の結婚、出産、子育てに影響する。
延滞金の利息は銀行と回収専門会社に吸収される。奨学事業ではなく、貧困ビジネス化している。
3.上昇し続ける大学学費と経済的困難
「今の若い人の経済状況」についての認識は、世代によって誤解に満ちている(世代間断層)。もはや「国立だから安い」ということはない。学費が上がったのに、最近までは問題にならなかったのか? 今までは、年功序列収入があったから、子どもに学費がかかるようになる頃に給料が上がっていて、問題が大きくなかった。しかし、1990年代 正規の年功収入が崩れた。そして、奨学金を借りる人が多くなり、問題が顕著化した。
4.高校就職の困難
「そんなに苦しければ、大学に行かなければいい」という声があるが、ここにも世代間断層が存在する。1955年、高校進学率40数パーセント。中卒が普通だった。
欧米に比較すると、日本の大学進学率は低い。OECDの平均よりも低い。日本は高学歴ではなくなっている。
「東京、東海地域を除いて、高卒の正規職はない」と言ってよい。東海地域は工業産業がある。あると言っても、酷い内容。例えば1日19時間労働。「希望する進学」から「強いられた進学」になっている。
5.大学卒業後の就職難の拡大と奨学金返還の困難
バブル崩壊後から失業率がアップし、若年就業が困難になっている。
6.奨学金制度の問題点
奨学金が奨学金としての機能を果たしていないことが1番の問題である。将来の返済への不安から、バイトをせざるを得ない。ブラックバイト(学生であることを尊重しないあるアルバイト)が横行している。その背景には、大人の労働状況の悪化がある。非正規が増え、非正規が「補助」労働から「基幹」労働に移行している実態があり、バイトリーダーなどという言葉も生まれている。ここにも世代間断層がある。
7.奨学金制度改善に向けての運動
2012年度9月1日、愛知県の大学生らが「愛知県・学費と奨学金を考える会」を発足。その後、2014年度予算における制度改善がなされた
8.奨学金制度改善の方向
9.これからの具体的な取り組み
まず、「事実をちゃんと伝える」
8.9.については、具体的な提示があった(レジュメ参照)
【シンポジウム】
「学び」を奪われる若者たちの現状と教育の責任
大内 裕和さん(中京大学教授)
藤川 里恵さん(都留文科大学学生ユニオン共同代表)
藤村 治 さん(全国大学院生協議会議長)
鈴木 敏則さん(民主教育研究所、元埼玉県立高校教諭、「お金がないと学校に行けない の?」首都圏高校生実行委員会顧問)
(司会)綿貫(共同代表)
(司会)大内先生の講演を受けて、それぞれの立場から、まずお話をしていただき、質疑の時間を取り、フロアからの発言も受けて、交流していきたいと考えている。
まず、藤川さんからお願いしたい。
(藤川)
この春、大学を卒業したが、アルバイト先と和解するまでは、共同代表を続けている。奨学金を借りていたが、アルバイトもしなくてはならなかった。バイトで疲れきって、本を読む時間もなく、もっとすごいスケジュールをこなしている人もいて、「わたしはなぜできないのか」と嫌気がさしていた。イベント関係の商品の買い取りなどもあったが、ブラックバイトだとは思っていなかった。首都圏青年ユニオンに相談したことがきっかけで、「おかしなこと」がたくさんあることを知った。
わたしが「おかしい」と言うことで、誰かに迷惑をかけるではないかと不安があったが、バイト先でお世話になった人もいて、「おかしいことをおかしい」と言うことにした。労働組合が大きな支えになった。後輩のためになるとか、大学周辺にある職場の改善になるのではないかと思い、がんばった。過酷な事例を告発している当事者や支援者には敬意を表するが、それと比べて「わたしはまし」と思うのは間違い。取材などで、「もっと過酷な条件の人はいませんか?」とか聞かれるが、比較でものを言われるのはイヤ。「組合」は、自分の中でも、怖いとか偏っているとかがあって、よく知らない人はそう思っていると思う。でも、具体的に頼れる機関や制度が必要だと思う。都留文科大学学生ユニオンがその入り口になればと思い、活動している。
(司会)
大学の名前を冠しているユニオンは初めてだと思うが、大学との関係はどうなっているのか。
(藤川)
大学は「学内団体とは認められない」としている。大学に対して質問状を出しているが、まだ回答はもらっていない。
(司会)
では、次に藤村さんに発言をお願いする。
(藤村)
全国大学院生協議会(全院協)は各大学の協議会や自治会個別の取り組みでは解決できないような問題を解決するために作られた組織。現在9の院生自治会・院生協議会から構成されている。
毎年、アンケート調査を行っている。そこから見えてくるものがある。奨学金を借りると利子がつくので、アルバイトをするという学生は多い。院生の本分は研究であるが、バイトが研究に支障をきたしているという学生が6割いる。大学によるブラックバイト(ブラックTA)もある。時給は決められているが、時間は管理されていない。ブラックTAの背景には、教員の多忙化がある。大学のやっているブラックバイトが院生の研究を圧迫しているという実態もある。
アンケートに「死にたい」「自殺したい」という記述をする人がいる。将来の見通しもなかなか立たず、借金は多く、就職先は少なく、生きているだけで借金が増えていく。
大学院生の自由に学び、研究を行うという土壌、将来の研究者として成長することなどが、保障されていない。
(司会)
次に、学びから遠ざけられている若者たちを支える活動をしている鈴木先生に発言をお願いする。
(鈴木)
「お金がないと学校に行けないの?」首都圏高校生実行委員会で、高校生が集まると「お金がないから進学をあきらめた」という声を聞く。アンケートの結果、4人中3人は学費の事で困っている。学費が高くて家族に迷惑をかけていると思っている生徒。
修学旅行、部活が贅沢という感覚もある。就学援助受給率は毎年上昇し続けている。
高校生の実態をみると、娯楽費を切り詰めている、「お金がない」と言わず「用があるから」と友人との約束を断っている。就学援助に関して、行政機関で交渉したが、芳しい回答は得られない。高校生も直接、文科省に交渉に行ったりしている。
(司会)
高校では、階層化が進んでいて、定時制に通う子たちへのしわ寄せは特に深刻。
大内先生に、先ほどの講演の補足、および3人の方のお話を受けての発言をお願いしたい。
(大内)
3人のご発言からは学ぶことが多い。中学校の教員になった教え子の話だが、クラスに生活保護世帯が半数いるという。エリア、地域で格差がある。N市内での格差が大きくなってきていることに驚いている。ゲーテッド化が進んでいる。「空間的な分離」が進み、気がつきにくくなっている。明確化しているのに、見えない。
授業料は免除なのに、生活費の仕送りが受けられないので進学をあきらめるということが、有名大学でも起きている。高卒での就職が激戦になっている。学力が高くても、大学に進学できなくなっている実態が生まれている。
自虐+自慢が学生の会話でよく見られる。例えば「連勤自慢」「睡眠不足自慢」「掛け持ち自慢」。夜寝ていないくらいでは自慢できないという。ブラックが当然だという風潮がある中、ブラックバイトと言って攻撃されたらどう切り返すか。重要なことは、「大学の奨学金が大変というと、まだまし」という発言がある。中間層の解体は貧困層よりマシという風潮ではダメ。貧困問題と中間層解体は同じ課題。富裕層研究も必要。2世、3世議員の連携の問題。正規で厚生年金をもらっても生活できないというのもでてきている。貧困反対、中間層解体、教育費などは同一線上の問題。特に40歳以下は、教育と住居を公的資金でないと生活は成り立たない。
(司会)
フロアから発言をいただきたい。今の立ち位置から、質問や発言をお願いしたい。
(元都立高校教員 / 現大学教員)
奨学金の問題は自分の授業では、反応が薄かった。今の大学教育のあり方、学びや研究をトータルに考えなくてはならないと思った。
(大学教員)
地域差をふまえるのが重要。地方では自宅から通える範囲に大学がない。組合へのハードルは高い。個別では活動するが、友人には言えないという実態もある。組合はもちろん大切だが、インフォーマルなレベルでの闘いの集積もあるのではないか。
(司会)
労働組合へのハードルの高さをどう考えるか、インフォーマルな闘いもあれば発言をお願いしたい。
(藤川)
難しさを感じているのは、組合に近づきにくいというのもあるが、「知識もないのに」とか「勉強していないのに言うな」という圧力がすごい。ハードルの下げ方が大切で、身近なこと(例えば、着替える時間は勤務時間なの?)を考え合うことが大切だと思う。
(司会)
藤村さん、回答は難しいかもしれないが、感想でもいいです。
(藤村)
工学系は、予算のつくプログラムが豊富な方である。大学のあり方が、学生からではなく、「違う力学」で動いているように思う。工学系にいると軍学共同ということを肌で感じることがある。
(綿貫)
「今のような感覚の学生」にどうアプローチするか。大内さんに発言をお願いしたい。
(大内)
経済力が合格率に影響するどころの話ではない、合格しても進学できない家庭が増えている。遠距離通学、経済的問題、住んでいる場所による。
「バイトで有給なんて都市伝説」と言っていた学生にが、有給をとらせて、教室で発表。
居場所、法律相談でバックアップが必要。講義の時間中に体験させる(未払金の支払いなど)。借金返済、労働法についての知識は必須 。
(大学院生)
感想のような発言になる。ブラックバイトや日本の諸々の問題に関心をもっている。自己紹介のようになるが、貧困の空間分離化は実感する。それは、大学生のときに、児童養護施設の子どもたちに勉強を教えるサークルなど。自分の周囲にもブラックバイトの実態がある。自分もバイトの経験があるが、学生に対する目線は厳しい、暇でしょ?とか。少ない人数でまわしている、重要な役割を担っていることで自己実現している学生もいる。大学を出ても就職が保障されないことも背景にある。洗脳のような現実を打破するには、藤川さんのような、自分の大学、地域に根ざした活動・運動が必要だと思った。院自体もブラック化している
(司会)
各地域で運動を展開するべきということが大切なように思う。他に発言は?
(山梨・小学校教員)
「学校で労働基準法を学ぶ」とか「厳しいバイトに耐えるために精神を鍛える」とかあると思うが、それは浅はかではないか。今の社会で育っていくために伝えることは何か。
(マスコミ)
半貧困ネットワークで活動している。子どもの貧困問題の取りまとめのようなことをしてきた。「すべての政党に影響を」という方針であったが「左寄り」になってきている。それは、当事者や相談者への敷居をあげてしまうのではないか。今までの労働運動の轍を踏みたくないという考えがあるがどうか。
(司会)
質問への回答は難しいと思うが、できれば含めて、まとめをお願いしたい。
(藤川)
常識、基準は変わっていく。誰もが労働問題とは無関係ではいられない。考える中で、わからなければ、誰かに聞けばいい。「その働き方を人として許せるのか」「どんな生活をしたいのか」を一緒に考えていくことが大切。メディアは大事だが、身近で起こしていくことが大事。自分自身がちょっとだけ行動的になってみればいいと思う。
それには、自分の現場で闘うこと。生徒に知識を教えるより、自分がよりよく働くために運動することだと思う。
(藤村)
全院協の会議でも反対意見」を言う人もいる。それでも、一致点をさぐりさぐり見つけていくことや「素朴な実感」から運動を広げることが大切だと思う。
(鈴木)
給付制奨学金について、高校生が運動 している。そんな中で、「女性は残業代がでない」とか「研修で賃金がでない」とかという実態が出てくる。出てきた問題を実際に解決することが学びになる。反省として、以前は教え込みすぎたと思う。「コンビニで休暇が取れたとか」という実績が喜びになり、次の運動につながる。
(大内)
「特定の政党が」という問題は普遍的だが、今の情勢は少し違っている。立憲主義を否定している、国際社会の常識のルールを守らないというのが問題で、この件については、
党派を超えて一致できるところであると思う。学生から「組合って今あるのですか?」と、笑えないような質問があった。先生が闘うこと 生徒たちに
労働時間は労働時間なんだ 教員が実践することで教える
【閉会】 まとめの発言 今泉(世話人)
みなさん、1日、ほんとうにお疲れさまでした。人数はそんなに多くなかったが、充実したセミナーになったと思う。全進研は、ここにある「生きる・学ぶ・働く」をテーマに活動をしてきたが、大内先生のお話はまさにピッタリだったと思う。奨学金の問題は、学生の結婚、子育てなど、人生に関わる問題である。18歳選挙権の問題を含め、我々の課題が見えてきた。学生の生活は苦しいと実感する。学費の無償化が改めて課題であると思った。
4名のシンポジストの皆さん、お疲れさまでした。高校生、学部生、院生の実態が見えた。「日本の教育問題はどうなっているのだ」と改めて思った。教育の現場で、何を大切にするか。学生は、問い、疑問に思っていることについては、特に真剣に学ぶ。小・中・高・大学、何を題材にどう学ぶか、各場所で研究を進めていく必要があると考えた。
現場が忙しくて、交流する時間がないということが出されたが、現場で、教師同士が子交流するための時間を生み出さなくてはならない。減らすものは減らす工夫も必要なのではないか。「戦争法案」への反対の声が上がっている。戦後、さまざまな困難もあったが、教育の成果ともいえる。「疑問に対して声を出すような教育」の積み上げ、そして我々自身が職場で声を上げることが必要。始まりはいつも小さい。その「小さいこと」を大切に広げていきたい。
またセミナーを開催するので、今後ともよろしくお願いします。
2015年「夏のセミナー」アンケート回収13枚
1
A:何によって知ったか(複数回答)
1) 全進研の会員・・・・・・・・・・・4人
2) 大会案内のチラシ見て・・・・・・・3人
3) 知人に教えられて・・・・・・・・・3人
4) 組合の新聞(案内)を見て・・・・・0人
5) 新聞・雑誌を見て・・・・・・・・・0人
6) 全進研のホームページを見て・・・・3人
7) その他・フェイスブックで・・・・・1人
・発言に呼んでいただいて・・1人
・文書でいただいて・・・・・1人
B:参加動機(複数回答)
1) テーマが面白そうだから・・・・・・7人
2) 進路指導を行う必要があって・・・・1人
3) わが子の受験を考えて・・・・・・・0人
4) 関連する運動に参加しているので・・1人
5) 知人に勧められて・・・・・・・・・2人
6) 会場が良かったので・・・・・・・・0人
7) 全進研の会員だったから・・・・・・2人
8) その他・・発言者だから・・・・・・1人
・ ・知識としてあいまいに知っていたことを、もっと正確に実態に即した内容に話を聞きたかった。大学での非常勤の仕事に役立てたいとも思った。・・・・・・・・・・・・・・・・1人
・ 同日・前日予定があったから・・・・1人
C:進路指導のことで直面している問題はありますか?
ある:3人
・ 学費と進学・・キャリア教育・グローバル教育の本質とは何か?
・ 高卒での就職現状の厳しさ
・ 入試制度
・ 教員採用試験
・ 教育の自己責任・家族責任圧力とその制度
・ 就職活動における「フツー」圧力(就職だめなら人生終わり)
ない:5人
・ 副担だから直接はないです。
・ but 大学の担当教科は生徒進路指導論です。
D:進路指導であなたが関心を持っているテーマは?(複数回答)
1) 学力・能力・・・・・・・・・・・・・・・・3人
2) 評価・偏差値・・・・・・・・・・・・・・・2人
3) 内申書・指導要録(書式や開示を含め)・・・・0人
4) 高校改編・統廃合・・・・・・・・・・・・・・2人
5) 入試・選抜制度・・・・・・・・・・・・・・・5人
6) 教育課程再編・・・・・・・・・・・・・・・・2人
7) 地方財政・・・・・・・・・・・・・・・・・・2人
8) 進路指導の理論・・・・・・・・・・・・・・・4人
9) 進路指導の実践・・・・・・・・・・・・・・・7人
10)大学入試制度・・・・・・・・・・・・・・・・2人
11)若者の就労・支援問題・・・・・・・・・・・・6人
12)教育制度改革・・・・・・・・・・・・・・・・4人
13)非行・低学力と進路・・・・・・・・・・・・・2人
14)高校中退・・・・・・・・・・・・・・・・・・2人
15)総合学習・・・・・・・・・・・・・・・・・・1人
16)不登校・ひきこもりと自立支援・・・・・・・・5人
17)「反貧困」など社会政策・社会運動・・・・・・5人
18)その他・・・・・・・・・・・・・・・・・・・0人
E:あなたは?
高校教員:30代:神奈川県
会社員:20代:山梨県
学生:20代:出身東京:現在山梨
退職教員:60代以上
中学校教員:50代
退職教員:60代以上:埼玉県
退職教員:60代以上
中学校教員:50代:埼玉県
議員:40代
研究者:30代:岐阜県
退職教員:60代以上
小学校教員:20代:山梨県
講師:50代
F:今後への要望
ア)会場は武蔵野プレイスで、です。
イ)中卒進路における普・職・高専・職訓・定通・高卒進路における大・短・専・職訓→それぞれの「選択」問題およびその地域差
ウ)子供の貧困と進路問題
2開会にいたるまでのことで、お気づきのことがあれば
・ 自販機がなくて捜したけれど分からなかった。案内掲示が必要だった。
・ すばらしい会場で、東洋大学の関係の方々に感謝いたします。
・ 暑い中、よい機会を作っていただき、ありがとうございます。
講演「奨学金」“ブラックバイト”に見える進路教育の課題へのご意見ご感想
1) 奨学金問題を現代を生きる青年の状況(バイト漬けによる進学)(就職口がない)と合わせて考えることが必要だと考えられ、整理することができた。海外では、日本の奨学金が単なるローンだと言えることが、よく今の日本をあらわしていると思った。
2) おもしろかったです。
3) 今大学に通っていて、奨学金やアルバイトは生活の一部であり、事実あるバイトを理由に授業に出ることが困難で、単位を落とすまではいかずとも、評定が下がってしまったのも少なくありません。また、奨学金も貧しい家庭で生まれた私にとって1種の奨学金は親としても必要なお金として毎年申請を出してももらえないなど、色々厳しいです。お金をもらえないのは、能力が足りていないと思っていましたが、現実は非常だなと思いました。
4) 具体的な状況の歴史的整理があってわかりやすかった。教育学的に見た奨学金問題の位置をどう見るか
5) 「ブラックバイト」も読み、大内さんの講演レジュメも見たが、やはり、直接話を聞くとその迫力ですっきりと理解できた。もはや時間がない。全力でこの問題を広めるべきだ。
6) 奨学金ならぬ教育ローンを本当の奨学金スカラーシップにしなければ日本の将来はないことを実感しました。何故こんな不合理なことがまかり通る日本の社会なのか、日本の社会の仕組みを変えなければ。
7) 大変参考になりました。御著書を読んで深めていきたいと思います。
8) いくらかは知っているつもりでしたが、きちんとしたデーターをもとにしたお話を聞くと、「一部の困っている人の問題」どころではなく、大学生だけの問題ではないことがよくわかりました。
9) ローン化した奨学金問題が、さらに深刻になっていることがわかりました。50%超えで、免除がなくなっている点など自治体レベルの給付型奨学金の実態が鮮明になりました。
10)自宅から通える距離に大学があるかどうかという視点から、進学率や就職率の全国分布を捕らえてみたいように思いました。「県別」では限界があるので、もう少し小さい範囲で、捉えていく必要性。
11)ブラックバイトについては、法的問題性(法的問題の指摘だけだと、あきらめやルサンチマンを生んでしまうということ)や、ユニオンへの相談だけでなく、インフォーマルな対抗実践の方法とかをまとめてみたいとおもいました。学生・主婦・フリーターの垣根を越えて「店長との攻防、バイト仲間との共闘」とか「クビにならない戦い方」「ブラックバイトのマップ作成」「みんなで少しづつサボる」「労働法パンフを店長室に置いておく」まずは、共有できる場つくり、みんなで対応を考える場としてのユニオン、「問題処理機関としてのユニオン」を超えていくためにこそ。
12)ブラックバイトが社会問題化した社会的背景だけでなく、これからの具体的な取り組みの方向特に奨学金制度に対する改革の方向性を示していただいた点は大変参考になりました。経済的徴兵制の問題は、現在の安保法制反対の取り組みの中でも若者に訴え続けていく上でも重要な指摘だと思いました。
13)現状の課題、将来の展望ともにわかりやすくせつめいしていただき、ありがたかったです。
14)お話を伺えなくて残念でした。申し訳ございません。
シンポジウム「学び」を奪われる若者たちの現状と教育の責任
1) ・ブラックだと感じない(感じることすらない)言葉は広がるが。・院生の研究時間を奪うバイト、学内バイトの強制については日本の社旗問題にもつながることだと思った。・アルバイトをしなければ学べない日本の社会はやはりおかしい。・格差を認識できない地域化(空洞化)が問題である。・授業料ではなく、生活費が出せない。(進学でなく就職、学歴社会でない、学力があるのに進学できない。)・日本の貧困層と中間層の比較は日本の社会の改善にはつながらない。社会科学としての視点を自分自身でもっと考え、学び続けていくことが大切だと思った。
2) いろんな立場、現場の話を聞けてよかったです。とても勉強になりました。
3) 藤川さんが言っていたように、私自身、また、友人もバイト尽くめの毎日であり、とても共感できた。・教師を目指すに当たり、本当に戦っていけるのか、クビと言われ仕事を失うのではないかと思うと、やはり怖いし、心配である。・今回のことを機会にまた考えていきたい。
4) 大学のおかれている状況が、今日、大きな改革の中で激変しつつあり、その一部として学生の学習環境がうばわれる。貧困をベースに競争させる学生の意識としても自己責任的な考えがかなり入っているかな。
5) 大内さんが言ったとおり、絶対的貧困の広がりと中間層の解体と結び付けて考えないと、公務員教員パッシングに対抗できないし、また教えるだけでなく具体的にどう改善即ち「取らせる」ことの大切さは、これからの労働運動、再生につながるのではと強く感じた。私たちがブラックバイト学生を救うのは責務だ。
6) それぞれの立場で話していただいたこと、よくわかりました。すべて、国の政治の貧困、品格に欠ける行政でしょうね。日本の国民の富の配分の不公正。金持ちが金を蓄えるに貪欲。金持ち課税の強化をぜひすすめたいものですなあ。
7) 「すこしおかしんじゃない」と感じたことを言葉にすることの大切さを提示されて、はっとしました。生徒も教員も大人も皆にとって必要なことだと思いました。その感性を磨くことだと思います。
8) 「そのくらいで……」と思われることを皆が言えるようにしたい。やりたい人だけがやればいいを突破することなど、学生・若者だけの問題ではないです。
9) メディアの「消費」問題は(労働ポルノ)ホント深刻だと思います。
10)「ブラック企業」ってのも、変に広がりすぎて、その違法性が弱められてしまう面もあったり(ブラック企業=きつい企業)というような。
11)「大学のブラック度」ランキングとか出したらどうか。(*補助金採択動向:SGとかそれに振り回される状況。「大学改革」とか*各種声明など:ちゃんと声を上げているかどうか。*学生・院生の使いまわし…インフォーマルには共有されていますが)
12)「労働におけるやりがい」についてもう少し丁寧に追いかけ、救い出していく必要がありそうだと思いました。ありがとうございました!
13)大学生・院生のアルバイトの実態と意識をリアルに語っていただき、新たな認識を得ることができました。
14)大内先生の少しでも現状を変えていくために居場所を作ることと相談場所を作ることの大事さの指摘と、実際にそのことを実践されていることに大きな刺激を受けました。私の持ち場の中で、何ができるかを考えたいと思います。
15)藤川さんの“両手で抱えられる人すら救えない”という言葉に胸を打たれました。
16)大変充実したお話を伺えありがたかったです。
夏のセミナー全体を通してのご意見・ご感想
1) 青年の生の声を聞けることが、一番勉強になりました。日本の政治(政策)は、今の青年を学ばせないシステム、生活させないシステムを産み出してしまっている。奨学金と雇用、進学問題など、複数の課題をつなげて考えることが、何が間違えているか、どうすればただしいのかを考えられるきっかけになると思った。学校教育における“政”をどう学ばせるのかが本当に現場に突きつけられていると思った。(性・生も関係するが)
2) とても勉強になりました。よんでいただいてありがとうございました。
3) とてもためになった。まだまだ学生の甘えともいえるのか、未来のビジョンがあまり見えず、はっきりと考えをまとめること、伝えることができなかった。今の自分が当たり前と思っていた奨学金や、授業料、そしてアルバイトのこと、見えてなかった部分で、日本もまだ成長できると思った。
4) 学生を取り巻く状況の厳しさが良く分かりました。本人たちの存在と意識の乖離が課題でしょうか。どうするか。
5) 全く退屈せずこれからの日本社会に対する自分の立ち位置を再確認できた有意義な時間になった。全ての労働組合はこの問題を自分のこととして考える必要がある。いよいよ学校現場に闘うこと教えるラストチャンスだ。
6) 参加者は少なかったのですが、バラエティがあってよかったと思います。HPによる呼びかけが少しずつ浸透してきているのでしょうか。
7) 大変刺激的で、実践をないがしろにしない方針がよくわかる講演・シンポジウム・グループ討議でした。充実したセミナーでした。自販機がなかったことだけが不便でした。
8) *「弱さ」を出し合っていけるような場つくり(「助けて」と言えること)≒「声」を出していくという経験の蓄積(理性による身体抑圧:もっと「勉強しろ」的圧力を超えるために)*「子どもに教える」ではなく、「背中を見せる」→教員はまじめで頑張りすぎで「弱音を吐いちゃいけない」というメタメッセージを出しがち。
9) 今日のテーマを深めつつ、子どもの貧困の問題と進路の問題をさらに検討していければと、次のセミナーでは期待しています。*グループで意見交換できてよかったと思っています。ありがとうございました。
10)改めて学びを深める中で興味が持てなかった分野に目を向ける大切さを感じます。*目に見える、体で感じる学びをしていきたいです。できることなら“税金が”ではなく、“〇〇さんの税金が”のように具体的にどう日本を県を町を支えているのか見える形ができれば良いなと願望ですが思います。
11)参加させていただきありがとうございました。